へぼてんブログ

めっちゃ楽しそうなのに下手なおっさんとして天文趣味の裾野を広げます!

観望会の「機材テスト」名目でお試し観望(会)をしました

昨晩は素敵な施設で電視観望をさせて頂きました。

いいでしょう?こんな素敵な施設があるんですよ!

観望会イベントを行う「機材テスト」名目で、お試し観望を楽しみつつ(ぼくが)、せっかくなのでその場におられる方々にも楽しんでもらえればなー?と。

立ち寄って下さった皆様にも楽しんで頂けた様子で、もしお愛想でなく楽しんで頂けたなら本当にうれしいです。

施設様が培われた信頼を既存しないよう様々に慎重を期すよう心掛けましたが、とてもとても大変でした。
以下、感想です。役に立つ記述はありません。(本当にありません)

 

1.北極星が見えない!

建物に囲まれた中庭で、やはり北極星が見えませんでした。
設置を南寄りにすれば北極星が入りますが、南天の天体*1を主な観望対象に想定したため、極軸合わせはあきらめました。

電視観望の短時間なら影響は軽微に止まると期待して、観望対象が確実に入ることを優先しました。
とはいえ他に大きく開けた場所がないか検討したいです。

 

2.機材が重い……

バランスウェイトだけで肩が砕けそうになります。
機材の軽量化をされる理由がよく分かりました。
波動歯車装置(ハーモニックドライブ等)やカーボン三脚、いいなぁ!

軽さは正義

 

3.トークとの両立が難しい

お客様とお話をしながらSharpCapのパラメータを調整してお客様の意外な質問にどう答えるか考えてSharpCapの様子を見て……ほとんど無理では?

ASICAPの方が観望会では使いやすいかも知れません。

 

4.画面が小さい

15インチノートPCで、SharpCapを操作する画面そのままにご覧頂いていました。
「機材テスト」名目のお試し観望とはいえ、いくら何でも小さかったと思います。

できれば液晶モニタを持ち込んで拡大表示すれば……
SharpCapはツインモニタービュー機能で、撮像画面ビューをできるんですよね*2
これ使えば上手く見て頂けるかなあ?

 SharpCap ユーザーマニュアル様より引用しました。https://sharpcap-jp.sakura.ne.jp/SharpCapUserManual_JP-web/10_.htm


5.絶対的なスキル不足

何もかもスキル不足を思い知ります。
分かっていたとはいえ何もかもが足りない。本当に難しいです。
もう一度、天文教育普及研究会の最高のマニュアルを読み返さなくては。*3

天文教育普及研究会編集『宇宙をみせて』(恒星社厚生閣、2,013年)

天文教育普及研究会による最高の天体観望会マニュアル

6.まとめ

上手くできたかといえば課題が多すぎる「機材テスト」でしたが、立ち寄って頂けた方々が楽しそうにして下さった&施設様の好意的なご様子から、胸をなで下ろしてよさそうに思っています。

楽しかったです!*4

*1:「色つきのオリオン大星雲」で驚いて欲しい!

*2:SharpCapユーザーマニュアル

*3:ごく一部だけ「世界天文年2009参加・実施マニュアル」として公開された資料に書籍と同様の記述があるようです。

*4:「本番」として「開催」できるように、これからしっかり準備します。

「私は機材が好きだ」

諸君 私は機材が好きだ
諸君 私は機材が好きだ
諸君 私は機材が大好きだ

 

2枚玉アポクロマートが好きだ
アクロマートが好きだ
トリプレットが好きだ
5枚玉ペッツバールが好きだ
短焦点小型屈折が好きだ
長焦点アクロマートが好きだ
ニュートン鏡が好きだ
シュミカセが好きだ
リッチー・クレチアンが好きだ

 

ガレージで 店先で
庭先で 天文台
山頂で ダムで
海辺で 川べりで
ベランダで 宇宙空間で

 

地上を離れてすら用いられる ありとあらゆる機材が大好きだ

 

砲列をならべたアクロマートの多連装が マウスクリック音と共に露光を始めるのが好きだ
シアノバクテリアがやっと酸素を作り始めた頃に放たれた光子を 網膜で直接感じ取った時など心がおどる

古参ファンの操るティーガルの60mmが 木星衝突痕を撮影するのが好きだ
唸りを上げて 燃えさかる太陽から飛び出してきたプロミネンスを
ソーラーマックスで捉えた時など胸がすくような気持ちだった

 

ワークショップでつくられたコルキットスピカが 月や木星の観望に用いられるのが好きだ
興奮状態の参加者が 既に導入したプレアデスを 何度も何度も導入しなおしている様など感動すら覚える

 

偉大な先人達が 雑多な機材で健気にも視差観測に挑んできたのを
超長基線電波干渉法観測計画(VERA)の20mアンテナが 天の川銀河ごと3次元地図に書き起こした時など絶頂すら覚える

 

露西亜産の寒気団に滅茶苦茶にされるのが好きだ
銀河を捉えるはずだったレンズが結露され 鏡筒が湿り白く凍り付いていく様は とてもとても悲しいものだ

 

大都市の光害に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
気の遠くなる宇宙空間を超えてセンサーにやって来た光子を ショットノイズの海から救い出せないのは屈辱の極みだ

 

諸君 私は機材を 沼の様な機材を望んでいる
諸君 私の先を行く大隊星友諸君
貴方方は一体 何を望んでいる?

 

更なる機材を望むか?

 

「機材!! 機材!! 機材!!」

 

よろしい ならば機材だ

 

 

【注】
ツイートを拝見して、どうしてもやりたくなってしまって……。

 

【注2】
鏡筒に偏ったのは力量不足からです。
本当は架台やフィルター等に拡げたかったけど、あまり知らないので……

 

【注3】
20年も前に流行ったネタを今さらここまで焼き直す必要はあるのかね? >私

 

【注4】
それより「本章」を始めなさいよ。 >私

 

【注5】
HELLSING』は傑作なので全人類が既読と思いますが、念のため貼っておきます。

京都市青少年科学センター プラネタリウム 「宇宙の謎に挑め!ALMA望遠鏡 vs. JW宇宙望遠鏡」 レビュー

京都市青少年科学センタープラネタリウムは、いま「宇宙の謎に挑め!ALMA望遠鏡 vs. JW宇宙望遠鏡」のテーマで解説されています。

「宇宙の謎に挑め!ALMA望遠鏡 vs. JW宇宙望遠鏡」京都市青少年科学センター制作

「宇宙の謎に挑め!ALMA望遠鏡 vs. JW宇宙望遠鏡」京都市青少年科学センター制作

戦う性質のものでもありませんが、対戦の形でキャッチーにされています。

150万km離れたL2点で活動するJWSTを「孤高のアーティスト」、66台もの大型パラボラ干渉計を用いるALMAを「グループアイドル」に例えるなど、キャッチーな分かりやすさを大切にしつつ、正確さを犠牲にしないよう丁寧に考えられた解説に感じました。

ALMAになぞらえられたグループアイドル
JWSTになぞらえられた孤高のアーティスト
干渉計たちが一斉に動くALMAと、L2点のJWST

ALMAはアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)と正式名も紹介されていました。

ALMAといえば、公式アカウントが3月2日にJupiterとVenusのカップリングをポストして話題になっていましたから。キャッチーさ、大事。

ALMA公式Twitterアカウントによる投稿

ALMA公式Twitterアカウントによる投稿。ALMAさん何やってはるんですか!

中核的な、JWSTは折りたたみ式で宇宙空間で2週間かけて展開て赤外領域観測を担当するとか、ALMAは複数のパラボラアンテナ干渉計で構成されるとかくらいは知っていても、観測対象や目的に応じてアンテナ群の場所を寄せたり拡げたり、グループアイドルのフォーメーションのように展開していることは知りませんでした。
だからALMAといえば巨大な運搬車に乗せて動かす画像があるのですか!

100トンもの重量の巨大な干渉計を動かす運搬車

100トンもの重量の巨大な干渉計を動かす運搬車

直径16km~もの範囲で干渉計を運搬車で移動した轍

直径16km~もの範囲で干渉計を運搬車で移動した轍

その、ALMAの重量100トンもの大型干渉計を巨大な運搬車に乗せて移動する動画を、ドーム一面に投影された様子は圧巻でした。
「あの巨大な干渉計を動かすんだ!?」という驚き。

プラネタリウムドームだからできるリアルに近い体験。

わざわざチリに設置された理由は、近ごろならアマチュア天文ファンにもお馴染みになってきましたよね。
晴天が多い気象条件は観測に向きます。
特に電波望遠鏡は大気中の水蒸気に弱く、チリの乾燥した大気が好ましいそうです。

自分にとっての気付きは、パラボラアンテナの干渉計も「反射式望遠鏡」に含めて解説されたことでした。
考えて見ればパラボラ(双曲面)の主鏡で集めた電磁波を副鏡で反射して扱いやすい所へ導いてセンサーで拾う点、光学式のカセグレン式反射と同じなのか!と。*1

大変に楽しくて興味深く何度観ても学ぶことの多い番組(全編生解説です)で、「前回の番組を『最高峰!』といっちゃった直後に『最高』を更新するのもなあ……」と困ったくらいで、この館でしか使われないのがもったいないと思います。他の館に販売できないのかなあ?何か理由があるのかなあ?

ベタ褒めレビューは説得力を欠くので重箱の隅をつつき倒して難癖に近い点を探すならば、プラネタリウムである必要性が少ないといえなくもないことくらいです。
ドームの曲がったスクリーンに映さなくても、平らで見やすいスクリーンの方がよいのでは?問題。
とはいえ大阪市立科学館が企画の一員を務めた渾身の番組「ブラックホールを見た日」だって、ドームに投影する必要ある部分は多くありません。
プラネタリウムドームである必要性」に拘らず自由な発想で制作されたからこそ、この「ALMA vs. JWST」は成功したのかも?と感じます。

完全に個人的な感情ですが、ALMAの成果の画像をドーム一周にぐるりと並べられたシーンは、後半の投影が数日で終了させられた不遇の「宇宙美術館」を彷彿させる演出でうれしかったです。
「宇宙美術館」の後半を逃した悔しさが癒やされました!

京都市青少年科学センターのプラネタリウムの投影テーマ「宇宙の謎に挑め!ALMA望遠鏡 vs. JW宇宙望遠鏡」、4月19日(水)までやっています。
天文ファンな人にもライトな楽しみ方にもマッチする、楽しいテーマのプラネタリウム番組解説です!
全編が解説員の方の生解説で、前半「今夜の星空」解説ももちろん楽しいです!

【おやくそく】
京都市青少年科学センターの職員さんや天文・宇宙・プラネタリウムの専門家でない、一天文ファンによる感想です。
誤った記述がある場合、正確な解説をぼくば誤って記憶して書いているかも知れません。
記述のすべての責任は私にあり、京都市青少年科学センターは記事に何ら関与されていません。

【余談】
本当は新番組初日に観に行って解説員の方からもお声掛けを頂いていたのですが、「まだ1回しか観ていないしなあ……」とかウソみたいに忙しい時期があったり何やかんやで3月になってしまったので、お声掛けのご恩に報いたくてがんばってメモを取りながら観ました。

鼻をつままれても分からない暗さのドームで、手元が見えない中で書いたから文字が読みづらい……といいたいところですが、案外読めるし普段の文字と変わんないな?これ。
アタマの5行は明るい中の文字。
見えなくても意外とメモできるようです。

*1:解説では「カセグレン式」と言及されていませんでした。ぼくが思い浮かべただけで不正確かもです。

【天リフ読者レビュー企画】SVBONY MK105MM 序章

SVBONY MK105MM

My New Gear...!だったら良いのですがお借りした機材ですー

天文リフレクションズ様の読者レビュー企画でお借りしました。
山口編集長、またとない機会をありがとうございます。
SVBONY様、大切な商品をお預かりします。大切にレビューします。

SVBONY社のMK105MM、口径105mm/焦点距離1,365mmのマクストフカセグレン鏡筒。
焦点距離が長くて惑星向きと思います。
Vixenの普及型アイピースNPLの25mmで視野角が0.91°になる計算です。
お月様がこんな感じに見えます。*1

視野角のシミュレート画像

視野角のシミュレート画像

SVBONY MK105MMの商品画像はこんな感じ。

SVBONY MK105MM

SVBONY MK105MM

長さ377mm/重さ約2.2kgとコンパクトです。
CelestronやMEADEからこのクラスのマクストフカセグレンがよく売られていた記憶があります。
こんな感じの。

Celestron NexStar 4SE
MEADE ETX105

シュミットカセグレン式と似ていますが、マクストフカセグレン式は口径100mmくらいの小さめモデルが多いようです。

マクストフカセグレン式は補正板が球面で足りるのが特徴です。
シュミットカセグレン式のように高次非球面の補正板を要しない分、製造コストを抑えやすくリーズナブルな価格で販売しやすいからでしょうか。小さめモデルで比較的手に取りやすい価格。
マクストフカセグレン式の「補正板」は、屈折式の対物レンズっぽいところにあるやつです。
下図でCorrector Plate(補正板)と示されています。

マクストフカセグレン式望遠鏡の光学系模式図(Wikipediaより引用)

マクストフカセグレン式望遠鏡の光学系模式図(Wikipediaより引用)

日本メーカーもマクストフカセグレンを販売していましたが、やはり小型です。*2

Vixen VMC110L
Kenko Tokina SE-GT102M II
Vixen・Kenkoによるマクカセ(VMC)の例。Vixenは在庫払底、Kenkoは現行。

いずれのメーカーも「小型」「手軽」「入門/中級から上級への橋渡し」の役割を期待してラインナップされていたと思われます。

SVBONY MK105MMも例に漏れず小さくて、はじめは赤道儀に載せていましたが手軽なAZ-GTiに載せて持ち出したくなりました。

赤道儀に載せたSVBONY MK105MM

SVBONY MK105MMを赤道儀に載せました。架台が目立ちます。

AZ-GTiに載せたSVBONY MK105MM

SVBONY MK105MMは手軽なAZ-GTiが似合います

画像でみえる補正板の面で、白く見える部分が副鏡です(裏側)。
補正板の一部をメッキしてそのまま副鏡に使えるため、製造コストを抑えることができます。*3

自分のツイートで副鏡の直径を測って遮蔽率を計算していましたが不正確で、おそらく迷光対策に挿入されるバッフルによる遮蔽もあり、実際は直径比30%程度の遮蔽率に落ち着くと思われます。*4

とはいえマクストフカセグレン式は副鏡を補正板自体で支える構造上、ニュートン式のような副鏡を支えるスパイダーがありません。
スパイダーによる回折がないせいか、SVBONY MK105MMの眼視像は驚くほどシャープでした。
「約4万円で/このサイズで」を踏まえると、驚異的なまでの鮮明な像です。

 

マクストフカセグレン式といえば、地元の科学館の観望会ボランティアで少し触れたINTES-MICRO社(廃業)のALTER-7も同じくマクストフカセグレン式で、解像度の高い素晴らしい鏡筒でした。

INTES-MICRO ALTER-7のイメージ検索結果

INTES-MICRO ALTER-7のイメージ

ただ、ALTER-7は口径が150mmと大きい分か、分厚いメニスカスレンズを支える丈夫な鏡筒が非常に重かったです。(約7kg!)*5
しっかり運べるよう取っ手が付いていました。

一般にレンズ/補正板が分厚いと温度順応に時間がかかりますが、小口径ならあまり問題にしなくてよいと思います。
この辺りも入門~中級向けに小口径のマクストフカセグレン式がラインナップされてきた理由でしょうか。
たいへん扱いやすく、価格の割に見え味がとても優れると思います。

 

と、ここまでほぼマクストフカセグレン式小口径鏡筒の一般論に近いですが、お借りしたSVBONY MK105MMで月面の地形をぐるり3時間ほどかけて眼視観望/コリメート撮影して見え味や使い勝手を確かめて、理屈通りの性能がきちんと発揮されていることを確かめた上でのよもやま話です!

SVBONY MK105MMとiPhone8を用いて手持ちコリメート撮影した月面の地形

3時間、iPhoneを手持ちコリメートでがんばりました!

【あとがき】
せっかくの天リフ読者レビュー企画なのでSVBONY社の商品ページに丁寧にリンクを貼りましたが、金品は頂いていません。お借りした機材もお返ししています。名残惜しかったですが!

私のメリットは「新製品の機材に無償で触れられる」体験です。
金品等の利益はありません。金品等を頂くほどの文章を書きませんから。

基本的にポジティブなことを書いたのは、実際に価格の割によい機材だったことが大きいですが、「価格の割に」ですからネガティブな点もありました。
次回以降はネガティブな点も少しは書くつもりです。*6

とはいえ、フラッグシップ機と比べればネガティブな点があるのは当然で、素人の読者に「好きなようにレビューしてね」と預けて心配ないくらい、丁寧に作られたよい機材であることに変わりないと思います。*7

次回は、底冷えする2月の京都で午前1時~4時の3時間かけて月面の地形を観望したレポート/レビューの予定です。
寒かったよ!がんばったよ!

*1:岡山アストロクラブ様の「天体観望のためのアイピース視野シミュレーター」による生成画像です。

*2:Vixenは正確にはVMC式(Vixen original Maksutov Cassegrain)で、マクストフカセグレン式のVixenによる改良型。VMC200Lは口径200mmと大きく、実は必ずしも小型鏡筒に限られる訳じゃない。VC200LはVixenによる改良カタディオプトリック光学系で(VISAC式)6次非球面もの凄まじい補正板を用いる高度な光学系。どうやって作られているのだろう?想像も付きません。

*3:補正板の一部をメッキしてそのまま副鏡に使う方式はグレゴリー式と呼ばれます。副鏡の曲率と補正レンズを一致させる拘束上、周辺の補正が不十分になるとされますが、実用上大きな問題は発生しづらいと思います。

*4:友柚工房様のBKMAK180レビュー記事を参考に推測しました。

*5:ALTER-7はたぶん独立した補正板を持つルマック式マクカセ。

*6:ベタ褒めレビューは不気味ですから。

*7:SVBONY SV550はどこをどうほじくり返してもネガティブな点が見当たらず、ベタ褒めレビューにしかならなくて困りました……。あえていうなら約12万円の価格は誰もが手軽に手を出せるといいづらいですが、完璧としかいいようのない3枚玉EDアポとしてなら「ご冗談でしょう?」と漏れる価格と思います(マイクロフォーカサー・フラットナー込み!)。

SVBONY SV550レビュー企画(1) SVBONYはこんな会社と思うのです

SV550を一言で表せば「新興のSVBONY社がフラッグシップとして上市した3枚玉アポクロマートに尽きると思います。

 

SVBONY社は皆さんご存じと思いますが、必ずしも知られていない重要なことに「ユーザー本位の姿勢が非常に強い」という面があります。

SVBONY SV305

例えば、発表されたばかりで日本未発売だったSV305が欲しくて、Facebookのメッセージから問い合わせたことがあるのです(自動翻訳つかって)。
「日本宛にも発送してもらえますか?送料はいくらでしょうか?」って。

そうしたら、
「日本宛もOK!送料無料だよ!何ならこのメッセ上でPayPal送金してくれてもOKだよ!」って。

何ですか、その、フットワークの軽さは!?
海外のメーカーにFacebookメッセージでPayPal送金して直販してもらったのは初めてです。

 

これって「新興メーカー」だからできたことと思うのです。
歴史あるPanasonicSONYには、もう難しいのではないでしょうか。
松下電気器具製作所や東京通信研究所ならともかく。

 

レビューにあたって収差図を天リフさん経由でSVBONY社に問い合わせて頂いたら、すぐに出力して送ってもらえました。

これも、なかなかできないのではと思います。
どの情報を公開するかは競合他社との比較において重要な要素ですから、公開すると不利益な情報だってありますよね。
価格だって、発売前には公表しないことが多いくらい。

 

一つの行為が会社全体の利益になるか/大きな不利益を生まないかについて、
歴史ある大きな会社は各部署で慎重に検討する必要がしばしばあり、
新興の小さな会社は「問題なさそう?じゃあ行っちゃえ!」と身軽に動ける。

そして本当に身軽に動いてくれるのが、SVBONY社だと思います。
そんな会社が作ったフラッグシップ三枚玉アポ鏡筒が、SV550です。

 

いいものです。本当に。

天体観望会のお手伝いは楽しい!

科学館で天体観望会のお手伝いをするボランティアに参加しました。
とても楽しかったです!*1

 

科学館が実施される観望会で、けっこうな人気イベントなのです。
今回も定員の2倍の応募があったとか。

天体観望会の様子を伝える写真。科学館ウェブサイトより引用。

画像は科学館の案内ページより。かなり古い写真?

残念ながらお天気に恵まれず屋外での観望ができませんでしたが、プラネタリウムで星空解説があります!
(屋外で観望できる際も、これから見る天体の事前解説がプラネタリウムで行われます。贅沢。)

 

観望会をお手伝いすると、天体に興味のある大勢の人と会えます。
基本、ソロプレイなので、「他にもこんなに大勢の方々が!」という喜びがあります。

今回はとくに小さなお子さんが多く、プラネタリウムの演出に「わぁっ!」等と声を上げて下さって反応がよく、ホクホク顔でした。
(プラネタリウム投映は専任の解説員さんのお仕事で、ぼくらは場内の整理にしか関わっていませんが)

お帰りのお客様にご挨拶をしていたら、小さなお客様に「とってもきれいでした」と声をかけて頂きました。
ぼくは何もやってないけど一人のスタッフとして「ありがとうございます。またお越し下さい!」とお礼を申し上げて、あとで解説員さんにきちんとお伝えしました。
解説員さんは、お伝えした僕に静かに頭を下げられていました。きっとお客様の声は解説員さんにとっても嬉しいものと思います。
小さなお客様、楽しんで下さってありがとうございます。これからも天体を楽しんで下されば、天体への興味を深めて下されば嬉しいです。天文趣味、たのしいです!

 

こんな案内札(&カンペ)を作っていたら、

「かなりハイレベルな準備」と身に余るお褒めの言葉を頂いたことは大変に嬉しかったです。
ぼくも仕事ならここまでできないと思います。(そんなに報酬もらってたっけ?とブレーキがかかります)
趣味でやるボランティアで、天体を楽しみに来て下さる大勢の方に楽しんで欲しくて、一緒に楽しみたくて作りました。(ブレーキ不在!)

 

大した能力や技術を持っていなくても、「楽しもう!」とすることはできると思うので。
(技術を身に付けるとさらに楽しめるから、技術を渇望してはいます!)

*1:まあ、天体観望会の「当日だけ」手足的なお手伝いをするなんて、企画や準備の大変な部分をやってもらった上の一番美味しいところだけ頂く訳で、楽しくない訳がありません。

色つきの星雲と、視細胞の話。

ほしぞLOVEログ SAMさんの記事について話題になっているので、すこーしだけそっち方面を学んだ経験から書きます。

hoshizolove.blog.jp

これは、「45cmドブ」(大口径)がカギと思います。
小口径鏡筒で明順応したまま眼視しても、おそらく何も見えません。

ヒトが色を感じる仕組みには、ヘルムホルツの三色説とヘリングの反対色説が対立し、現在ではそれらの折衷説とでもいうべき段階説が受け容れられていますが、とどのつまりは650万の錐体細胞と1億2000万の桿体細胞の話に行き着く点、両説は共通します。

「光と色と」様より引用*1

人の目はしばしばカメラに置き換えて説明され、水晶体がレンズ・網膜がフィルム(又は撮像センサー)です。

網膜にびっしりと視細胞が並んでいて、これら視細胞が光を受容すると信号が視神経に伝達され、私たちの灰色の脳細胞に届けられて「これは何を表しているのか?」と色や形を推理し始めます。

網膜の真ん中を「網膜中心窩」や「黄斑部」と呼び、ヒトの視細胞のうち錐体細胞は網膜中心窩に集中しています。

錐体細胞は、明るい対象にしか反応できない反面、色と形の識別が得意です。
ヒトはこの錐体細胞が中心窩に集中しているおかげで、他の動物と比べて暗がりで目が利かない代わりに、文字のような細かい形の識別や色の識別が得意です。

桿体細胞は、弱い光に鋭敏に反応する反面、色が分かりません。
暗がりでものを見たときに、色がよく分からないのはそのためです。
ヒトはこの桿体細胞が中心窩以外の網膜全体に存在します。「眼視はそらし目で」というのは、桿体細胞が中心窩以外に多いことを利用して、弱い光を鋭敏に拾おうとする営みを端的に表した言葉と思います。

 

言い換えれば、錐体細胞は明るい対象専用のカラーカメラで、桿体細胞は暗い対象専用のモノクロカメラです(又はナイトビジョン)。

 

「明順応」「暗順応」は、ロドプシンの働きが関係します。

TryIT様より引用*2

桿体細胞(暗所用モノクロカメラ)に含まれるロドプシンは、光を受けるとレチナールの構造がシス型に変化し、レチナールとオプチンの結合状態が保てなくなり、その結果、明所でロドプシンが分解されます。

ロドプシンは弱い光を受容して反応する視物質です。
これが、明所では分解されて桿体細胞の働きが低下することを「明順応」と呼びます。
反対に、暗所ではロドプシンが合成されて桿体細胞の働きが高まり、これを「暗順応」と呼びます。

 

つまり、明順応状態では桿体細胞の働きが弱いため、錐体細胞(明所専用のカラーカメラ)だけが働くことになり、「弱い光は『見えない』」状態です。

 

ただ、厄介なのが、錐体細胞で働くフォトプシンは、常に生理活性を持つのです。

つまり、「暗順応」状態は、カラーカメラ(錐体細胞)とモノクロカメラ(桿体細胞)が同時に動いていて、だけどカラーカメラが拾える強さの光が存在しないため、結果的にモノクロカメラが拾う情報だけが私たちの灰色の脳細胞に届けられて……もういいですかそうですか。

 

先の先のTryIT様の解説にもある通り、暗がりで突然に花火が上がっても、私たちは花火の色を認識できます
これは、「暗順応」状態/「明順応」状態を問わずに錐体細胞が働いているためで、私たちは常に精密なカラー情報を拾い上げることができる待機状態にある訳です。

 

となると、「暗順応」状態だろうと、十分な強さの光があれば私たちはカラー情報を拾えるはずなのに、なぜ私たちは「星雲に色が付いて見えない」のか。
説明がしづらいです。

 

私の仮説は、
「大口径ドブソニアンといえども、錐体細胞のフォトプシンが十分に働くに足りる強さ(量)の光には足りないため、主に桿体細胞のロドプシンが視神経に多くの情報を提供して、錐体細胞フォトプシンが微弱に視神経に届ける情報が埋もれてしまっている
しかし、明順応状態で大口径ドブソニアンを覗けば、桿体細胞の働きが弱いため、錐体細胞が辛うじて発する微弱な情報埋もれずに済むため、色つきの星雲が見える」
というものです。
(小口径の光量では、錐体細胞が辛うじて働く程度にも足りないため、何も見えない)

これは何らのソースにも基づかない、私が自分の頭の中だけで何の根拠もなく考えたことですので、全く不確かな仮説に過ぎません。

ただ、きちんと根拠のある情報と、実際に経験されたことを両立できる仮説ではあるなー?くらいのことを思っています。

と、そんな感じの書き散らかしでした!

どなたかより詳しい方、後はお願いします!

 

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追記

脳による補正の影響(トレーニング効果)による説明を考慮してはどうだろう?
という示唆をいただきました。

たしかに、視細胞の特性だけで押し切ろうとする無理より、エレガントな説明に感じます。ありがとうございます!
ご紹介とともにお礼申し上げます。

「天リフ読者レビュー企画」SVBONY SV550 その0

SVBONY様の3枚玉アポクロマートSV550を、天リフ読者レビュー企画でお借りしました。

今回はプレ記事ということでお願いします。

ぼくは電視観望のみなので、電視観望の際のスクリーンショット的な画像ですが、こんな感じです。

たて座スタークラウド

ボーデの銀河(M81,M82)

 特筆すべきは、これ、フラットもダークも引いてないんですよ!

SharpCapのLiveStack撮って出しで、雑なノータッチガイドでライトフレームがズレたのが右端にそのまま残っているくらい。

普通はこんなかんじに周辺減光があるものですが、

手持ち機材で4月に電視観望した時のボーデの銀河

普通はこんな感じに周辺減光するのに、お借りしたSV550は完璧ではありませんか!(専用フラットナーを使用)

ライトな電視観望にも、これは助かります。
先行するシベットさんのレビューでも、この点が触れられていました。

 

お届けいただいてすぐに、何かうれしくって外に持ち出して写真を撮りました。

というのも、あちこちの造りがきちんとしている印象なのです。
鏡筒バンドに長めのドブテイルバーが標準装備で、バランス調整もしやすいです。

フードは伸縮式で、スーーッとゆっくり動きます。
茶筒のようで、少ない遊びで動くよう精度が確保されているのでしょうか?

そう、どこかしこも精度が良さそうなのです。
「テケトーに遊びを多めに作って『だいたい使えるっしょ?』というやつ」と違う。
丁度よくきっちり作られています。

 

取りあえずこんなところで、ファーストインプレッション的にまとめておきます。

総論的にこれ、お返ししたくなくなるほど良い物です!

 

あたらしい鏡筒が欲しいけど

何となく新しい鏡筒が欲しい気分なのですが、自分が何をしたいのかよく分からなくなっています。

(たぶんお買いものがしたいだけと思います)

 

ぼくは中古で買うことが多いのですが、話を簡単にするためVixenの現行モデルに絞ると、ED80Sf,SD81SII,SD103S,SD115S,AX103S,FL55SS,VSD100あたりが出てきます。

VSD100も一応入れましたが、終売なんですね。VSD90も予告されているし、そういうものか。

そもそも手を出しづらい価格なので「何で入れたの?」感ありますが。入れたかったのです。ぼくはこういうのを考えるとき、まずは現実的な予算を度外視して考えるので。

 

ED80Sfは、KYOEI-OSAKAで「天体写真の世界」吉田さんによるレビュー記事が掲載されているなど、Vixenの意欲が感じられますが、これたぶんOEMですよね?

カタログには「生産拠点や製造工程の見直しをするとともに、品質管理を徹底することで、コストを抑えつつも高い品質のSDアポクロマート鏡筒を開発することに成功しました。」とありますが*1、この「開発」は「商品開発」の意味と思います。設計開発でなく。

「生産拠点」「の見直し」からOEMと読み取ることもできるので、やはりVixenは基本的に良心的と思います。日本の天文趣味を支えるVixen。

OEMが悪いと思いませんが、わざわざVixenに含めて検討する理由がないので、ここではひとまず除外します。

 

そうなると残りはSD81SII,SD103S,SD115S,AX103S,FL55SS

SD81SII,SD103S,SD115Sは同じシリーズに位置づけられており、収差図もほぼ同じです。

いずれもF7.7と明るい短焦点で、鏡筒を短く扱いやすくする狙いだそうです*2

中でもSD81S,SD103Sは使われている方が多いようで、使用レビューが多く見つかります。(「STARRY URBAN SKY」HIROPONさんのレビュー「天体写真の世界」吉田さんのレビューなど*3。大いに参考になります。ありがとうございます!)

 

という訳で、SD81SII,SD103S,SD115SはFPL53を用いた2枚玉のF7.7アポクロマートの口径違いとまとめておきます。口径差で価格が2倍以上変わりますが、そこはそれ。2017年発売だそうです*4

 

AX103Sは、2009年に発売された3枚玉で口径103mmのF8アポクロマート

Vixen AX103S

Vixen AX103S

Vixenのフラッグシップ屈折に位置づけられ*5実売33万円弱と高価なせいか、使用例があまり見当たりません。競合も多いですしね。

 

フラットナー内蔵というVixenには珍しい特徴をもつ反面、やっぱり微動装置はオプション対応というちぐはぐ感があります。

 

とはいえVixenが上級者向けに打ち出したフラッグシップモデルだけあって、球面収差が0.2mm程度、スポットダイヤグラムも異次元?というくらいです。

(球面収差図の目盛りは200μm、スポットダイヤグラムの目盛りは10μm)

 

「何なのこれ?」的な高性能は、

設計自由度が高いとされる分離式3枚玉にあるのかなあ。*6

こんなのどうやって組み立てるのだろう。

 

「分離式三枚玉」といえばタカハシTOAが思い浮かびます。今はFounder OpticsのFOT85/FOT105といった競合も出ているようです。

とはいえ収差は、AX103Sと価格的に競合したと思われるTSA-102と同等にみえます。

TSA-102の取扱説明書より引用

現行ならFC-100DZが比較的近い?ちょっと劣りますが。さすがに2枚玉ですし。


そりゃあAX103Sは高性能だけど、3枚玉に伴う温度順応の長さや重さ・価格の高さなど越えるべきハードルが増えるようです。

 

 

FL55SSは、定評ある大人気モデルですよね。2018年発売。けっこう新しい。

現行Vixen唯一のフローライトを用いた口径55mm・300mm/F5のコンパクトな鏡筒。

Vixen FL55SS

Vixen FL55SS

「これはミニVSDか?」という天リフさんのレビューが非常に印象的です。

どう使ってもケチの付けようがない出来で、フラット処理が要らないレベルに周辺減光が少ない。

惜しむらくは、事実上必須なのにオプションな微動装置・フラットナー・レデューサーを揃えるとまあまあなお値段になること。小売希望価格ベースで20万円超え。

「Vixenが最高のコンパクト鏡筒を作ると?」の答えがFL55SSなのだと思います。

競合はBORG 55FLやRedCat51あたり?

BORGは「BORG」という特徴があり、RedCat51はペッツバール式という特徴があります。タカハシFSQと同じペッツバール!
「口径が小せえ!」との向きにはRedCat71も。お値段もFSQ85EDP並。

 

と、まあ、話を簡単にするためにVixen現行モデルに絞って検討しましたが、実際は旧モデルやタカハシや海外メーカーが競合品をガンガンぶつけて来るので、もう何がなんだか分からなくなるんですよ……。

*1:カタログ52ページ

*2:カタログの記述より。

*3:いずれもED103Sのレビューですが、SD103Sとの違いはドローチューブ内の絞りのみで、APS-C以下のセンサーを用いる限り同一とみなせます。

*4:https://www.vixen.co.jp/post/170607a/

*5:今はVSD100のポジションが空席なので

*6:図は星ナビ機材セレクションより引用。

雑兵はPerfumeで右往左往して近赤外線観望の夢を見るか

ブログ、間違えたと思われました?
大丈夫、合ってます。天文ブログのへぼてんブログです。

間違ってるのは僕ね。すみません。

 

大体この頃歌の世界はみなさん、あまりにも乱れすぎてるんじゃないでしょうか。(マタ ナンカ ハジマッタデ コノ アンケラソー)

ワタシこの前テレビ見てビックリしました。*1

Perfumeというのがおられるでしょ?3人でテクノポップを歌うユニット。

もとはアイドル的だったのに近頃超絶にダンスが上手くなったとか、そういうのは今はいいんですよ。

 

以前は「ワンルーム・ディスコ」で引っ越した都市部の新生活を歌う中で、

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都市部の光害を訴える楽曲

こんなことを歌っておられた訳ですよ。(歌詞ぜんぶはこちら)

 

それがですよ、皆さん、聞いて下さい。(聞イトルガナ 早ヨ イワンカイ)

最新のポリゴンウェイヴで、

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かましいわI,Robotぶつけんぞ。

あんたら都会の光害を訴える楽曲を歌ってたやないか。(ソンナン 歌ウタラヘン ヤロ)

あの頃の初心はどこ行ったんや。

都会の絵の具に染まって調子に乗るようになってしまって、お父ちゃんは悲しい。(アンタノ ムスメ ヤ アラヘン ヤロ)

 

まあそれはともかく、人工光源による光害は赤外成分が少ないらしくて、IR640フィルタとかで可視光カットしてやれば、光害地でも天の川が見えると聞いて「やってみたい!」と思ったまま、何か1年くらい経っちゃったのをなんとかしなきゃ。

IR640フィルタ、かなり安価なフィルタなんだし。

 

*1:実はウチ、テレビがなかったりします。

プレートソルブと極軸合わせで右往左往

プレートソルビングが遅い!

何でか分かんないけど数分がんばって「できなかったよ?(テヘ」と返してくる。

そういうのは困る。

 

たしかに非力な制御用PCなのですが(Atom Z8300)それでもこう、もうちょっとどうにかなりませんか?という訳で、他のを試します。

 

今はASPSをSharpCapから使っています。

他は何があるんだっけ?

 

プレートソルビング sharpcap - Google 検索

 

そうだった、ASTAPというのがあるんだった。似たような名前で覚えにくいね?

どっちかが早いとかなかったっけ?たしかほしぞloveログさんが書いておられたような?

hoshizolove.blog.jp

そうそう、ASTAPが早いらしい。

 

で、どうやってインストールするんですか?

プレートソルバーはインデックスのインストールとか何かありましたよね。

hidakakikou.cocolog-nifty.com

んー、ソフトウェアはふつーにインストールして、そのあとにデータベースをDLしてインストールすればいいらしい。簡単で助かる。

 

ん?インデックスがいくつもあるよ?誰ですか簡単とかいってたのは。僕だな。ごめん。

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どうすんの?これ?

hidakakikou.cocolog-nifty.com

なるほど、焦点距離で選ぶんですね?

ワイドフィールドってのはカメラレンズ想定なのかな?星景写真とかの。

左のやつ選んどけばいいか。

 

んでこれをSharpCapに連携させて、連携はSharpCapの設定でASTAPを選択すればいいだけよね。今度こそ簡単だ。テストもすんだし。

で、プレートソルブと同期を選んで、と。

何か左上に恰好よさげな進捗表示が出るね!

 

あれー?失敗したとかいってる。焦点距離がまずい?

ASCOMから取得でたいがい行けるんじゃないのかなあ?手入力してみるか。

で、プレートソルブと同期、と。

 

んー?即刻失敗したぞ?手入力はダメっぽいな?

じゃあ……焦点距離を利用しない設定で行く?何か時間かかりそうだけど仕方ないか。

で、プレートソルブと同期、と。

 

ぬぅ……失敗。どうなってんの?

んじゃ、ASPSに戻してプレートソルブと同期……失敗?

んんん……ASTAPに戻してプレートソルブと同期……ダメ?

 

もしかしてASTAPのインデックスが違うやつとか?

scrapbox.io

分からんけど左から二番目のH17というやついっとくか。ぴーっと。

DLにけっこう時間かかるね。ファイルサイズでかいのか。

屋外のスティックPCから直接DLさせたのがまずかったかな。仕方ないか。今さらだし。

 

んで、これをインストールして、、、展開も時間かかるね。スティックPC、非力なの。Atom Z8300なので。

これでも、つい先日まで制御用に使ってたATOM Z3735FのWindowsタブレットより高速で、モンスターマシンだ!と思ってるんだけどな。

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Windowsタブレットも、あれはあれで便利だったんですよ。

バッテリ内蔵だから、短時間なら外部電源なしで使えるし、

液晶パネル積んでるから、リモート接続できなくなっても本体でモニタできるし。

モニタできても、現場で対処できると限りませんが。

 

それはともかく、新しいデータベースでプレートソルブと同期、と……なぜダメなんだ?

ぬぬぬ……あーなるほど、ASTAPにデータベースの選択というのがあるのね?

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scrapbox.io

んじゃこれを設定して、プレートソルブと同期……どうして???

 

もういいや、今日はせっかくいつもより早く筒出したんだから、まだ今ならアンドロメダ銀河に間に合うだろう。

少しくらいブレていいからワンスターアライメント的に行っちゃえ。

Stellariumさんにアンドロメダ銀河を導入してもらって、と、さすがに極軸しか合わせてないとズレが大きそう。アライメントが足りないんだろうな。散開星団らしき小さな星の集まりが隅に見えるぞ。アンドロメダ銀河の導入がズレても散開星団が入ったのははじめてだなあ。*1これはこれできれいな散開星団だね。

さてさて、これをプレートソルブと同期して、と。しばらく待って……なんでダメなの?

じゃあこいつを、焦点距離を手入力して……ダメ?

もういっかいASCOMから取得にして……ダメ?

焦点距離を使わない設定で……ダメ?

ASPSにプレートソルバーを変更して……ダメ?

じゃあASPSで焦点距離を手入力……ダメ?

ASPSで焦点距離を使わない設定……ダメ?

んじゃASPSで焦点距離を本来のやつで入力して……ダメ?

 

総当たりしてもダメじゃん、一体どうなってんの???

これじゃ原因の切り分けができない。こんなんじゃプレートソルバーの何が悪いのか分からないよ!分からないままプレートソルバーの不具合原因を究明できるわけないよー……てかプレートソルバーは悪くない?

もしかしてもしかすると、もしかしたらやっちゃってた?

 

あーーーーーーこれだーーーーーー!!!

 

SharpCapを用いた極軸合わせでRA軸を90°傾けたままだった!

 

いつかやると思ってたんだよなー!!!

アンドロメダを導入して、いつもと違う散開星団が入ってた時点で気づけよなー。自動導入がズレてもだいたい何か雰囲気があるじゃん!

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各種インストール・設定にあたっては、ほしぞloveログ様、南風がなんか言ってました様、starWatching様、その他にもどなただったかタブを閉じてしまって分からなくなってしまいましたが多くの方々の知見のお世話になりました。ありがとうございます。

*1:「賢明なる読者諸君はお気づきのことだろう。」

電子観望で右往左往

昨日は全天が薄曇りぽかったのですが、電子観望をしていました。
薄曇りでも、腫れてると気持ちいいので。

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薄曇りな全天カメラ画像。神山天文台様の設備だよ。

もやーんと薄曇っているせいか、ピントの山も捉えにくく、極軸合わせツールもsolvedにならないことが多くて時間がかかりました。極軸あわせに40分ほど?雲の向こうの星を見つけろって無茶を強いてる訳で、SharpCapくんはよくやってくれています。

アライメントはテケトーな明るめの星を入れていくのですが、今回の成果はカストルくんです。

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アライメント中のカストルくん

よく知らなかったのですが、この子、二重星なんでしょうか?
Stellariumさんに確認すると二重星らしいです。

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Stellariumさんは二重星といってる

Livestackして見やすくすると確かにさっきの所に星があるんですが、(拡大しています)

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Livestackして見やすくなったカストルくん

8時方向にもう1個あるんですよね?

その時はアライメント中だったので「???」のまま流しましたが、Livestack前のをAstrometry.netでアノテーションしてもらうと、こんな感じ。

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Astrometry.netでアノテーション

Skysafariで同じエリアを表示するとこんな感じ。

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Skysafariだと、こう。

Livestackして拡大したのと同じエリアをSkysafariで表示すると、こう。
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……これ、カストルくんの二重星じゃないね?
Skysafariで、さらに拡大すると、こう。

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カストルくんの二重星はこっち

はじめに「二重星なの?」と思ったのは10時方向に丸つけたTYC 2453-1918-1で、「8時方向にもう1個ある?」と思ったのは四角で囲んだTYC 2453-0454-1みたいです。

本物のカストルBくんはもっと近かった!(角距離4秒)

二重星とやらをしっかり見てみたいなーと思ったりするのですが、もうちょっと離れたやつから挑戦するのがよさそうです。
はじめに「二重星?」と思ったTYC 2453-1918-1との角距離は1分11秒。
30秒くらい離れた重星がたくさんあるようなので、まずはそっちから!
ananscience.jp

電視観望はタブレットで生まれ変わる!

こんにちはこんにちは!
電視観望は手軽さが命と思います。
ぼくはAZ-GTiをVelbon ULTRA353miniというマクロ撮影向けミニ三脚にのせてBORG 36EDをくっつけたりしているのですが、

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コンパクト電視観望セット

こいつをSkySafariで操作すると最高なんですよ!

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SkySafari

多くの方は架台の制御・操作をパソコンでされていると思います。

これがiPadなど手持ちの端末に変わるだけで、自由度の高くなることといったら!

電視観望は、実のところカメラで撮像した画像をディスプレイ上で見ているもので、眼視と大きく異なるはずです。
それでもライブ感を持たれ、観望と呼ばれて定着したのは、その体験がこれまでの観望体験に近いものだったからと思います。

架台の操作を手に持つ端末で行うことは、ハンドコントローラーに似た感覚を与えてくれます。
空を見て、手のタブレット端末の星図と見比べて、えいっと操作して動かすことは、もうメチャクチャに楽しいです。

設定の仕方はこちら。
iPad/iPhoneといったiOS端末だと以前は2台必要でしたが、いまはSynScanLinkというアプリを間に挟むことで、1台で可能になっています。
note.com

設定は簡単で、"SynScan Pro"等と"SkySafari"と"SynScanLink"の3つをインストールして、SkySafariでSkyWatcher SynScanLinkを選ぶだけ。

たいていのブログだと設定の仕方を詳細に解説されると思うんですけどね。
そこはほら、ぼくより上手な方がすでに解説しておられるのに下手っぴがしゃしゃり出ることないと思うので。

「これ、めっちゃ楽しいですよ!」というのは、誰がどれだけやってもいいので、ぼくもやります。

お天気に右往左往

こんにちはこんにちは!
天文趣味って、肉眼で夜空を見上げることもれっきとした天体観望で、何の道具もつかわず始めることができる気軽な楽しみと思うんです。
けど、お天気ばかりはどうにもなりませんよね…雲が出ると手も足も出ない。

僕はこんなのを使ってお天気をみています。きっと皆さんと同じ。

ウェザーニュース(web版)

株式会社ウェザーニューズが提供する、一般向け天気予報サービス。
weathernews.jp
自宅ちかくをピンポイント指定したブックマークを、ブラウザのブックマークバーに置いています。最もよく使う。
こいつで「まったくダメ(どしゃぶり等)orその他」をざっくり分けます。

厄介なことに、webサイトとスマホアプリで予報がかなり異なることが少なくありません。
いわく読み取るメッシュの違いだそうです。

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1kmメッシュの超細密天気予報(ウェザーニューズ社より)

web版は5kmメッシュ、スマホアプリは1kmメッシュを読み取っているそうで、この辺で5kmものざっくり範囲にしてしまうと京都盆地のフチにある山で大きなブレが発生してしまうでしょうから、「一晩中晴れ」「一晩中くもり」なんて大きな違いが発生するのも仕方ないのだろうと思います。

うっかりweb版を鵜呑みにして晴れると思い込んで支度したら、ドン曇りでションボリすること、よくあります。
お天気が!ぼくを!振り回す!

下の方にスクロールすると、いまの空を撮って下さっている写真が掲載されていて、雲量を知る参考になります。

ウェザーニュース(スマホアプリ)

上述と同じ一般向け天気予報サービスのスマホアプリ版。
weathernews.jp
web版より細密なメッシュを読み取っているためか、こちらの方が信頼度が高いです。
(web版も同じ細密メッシュへ移行準備中だそうです)
1時間ごとの予報を参考に、晴れマークが並んでいたら「その時間帯は星が見えそうかなー?」くらいの予測に使っています。

京都産業大学神山天文台オールスカイモニタ

京都が誇る天文学を学べる私立大学、京都産業大学の神山天文台が公開して下さっている全天カメラのリアルタイム配信画像。
上記を参考に「で、いまは晴れてるの?」を知る大きな助けになります。ありがたいです!ありがとうございます!京産大ばんざい!
www.cc.kyoto-su.ac.jp
僕がTwitterで貼ってる全天画像は、ぜんぶここのです。

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全天晴れ!

うちから数km離れていますが、同じ京都盆地の内側だからか雲の様子はだいたい同じです。
「全天晴れ」「全天薄雲」「方角により厚い雲」程度を参考にできます。
雲の方角はさすがにズレますが、こいつをみて「晴れてる!」と飛び出すことは多いです。大助かり!*1

SCW天気

Super C Weather?の量を教えてくれる凄いやつ。
ほとんどの気象情報はの量ですから。天文趣味と興味の対象が違う。

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SCW、なんでもできてすごい!

supercweather.com
観望中に雲が出てきた時なんかに、1kmメッシュの雲量観測マップを参照して「この雲はこれから厚くなる/薄くなる?」を予想する参考に使えます。

超高性能で超多機能だから色々使えます。べんり!

Windy

雲と風を一度に表示してくれて便利なはずなんだけど、いまいち合わなくてそれほど使っていません。
サービスタイトル通り、主に「風」が興味の対象なんですよね…。
けど、iPhoneのお天気フォルダに入れてるのでちょいちょい参照します。
www.windy.com


天文趣味がこんなにお天気に右往左往するなんて知らなかったぜ…!

*1:反対に「雨降ってんじゃねぇか!」と慌てて撤収することも。